何故一ノ瀬志希というギフテッドが岩手出身なのか
アイドルマスターシンデレラガールズには一ノ瀬志希というアイドルがいる。一見すると単なる垢抜けた女子高生だが、実は化学に非常に優れた天才で、それも海外に留学して飛び級するほどである。だが、彼女は「つまんないから」という理由で帰国。その後プロデューサーに出会い、スカウトされてアイドルになった。ざっと彼女のアイドルになる前の経緯を説明すると大体このような具合である。
しかし、私にとって彼女には一つ大きな疑問が残る。それは、彼女は"岩手"出身であることだ。皆さんは岩手と聞いて何を思い浮かべるだろうか。…中々何も思い浮かばないだろう。その通り、岩手に9年間住んできた私から見てみても、岩手には殆ど何もないのである。何故そのような環境の下で一ノ瀬志希が生まれ育つことになったのか、私にとっては非常に悩ましかった。単に偶々岩手に生まれて志希の才能が卓越していたから岩手でもやっていけたのだと言ってしまえばそれまでだが、それだけでは終わらせたくなかった。そして考えた結果、自分の中である程度納得がいく答えを得ることができたので、ここにその詳細を述懐する次第である。
【注意】この記事は、特にゲーム内における志希の両親に関する記述が不足しているため、モバマスとデレステの情報を特に区別せずに掲載しています。モバマスとデレステでは状況が異なる可能性も十分に有り得ますが、何卒ご了承願います。
１.岩手という土壌に関して
それでは本題に入る前に、岩手で研究業がどの程度盛んに行われているか、また、岩手の教育環境の概況を見ていこう。
まずは研究施設に関してであるが、私が調べた限りでは、特に他県と比べて特筆すべき施設は見当たらなかった。大学に関しても、他県の人にも存在が知られるほど有名なものは、岩手大学、岩手県立大学、岩手医科大学の3箇所以外はなく、岩手は、"現時点では"志希の父親ほどの天才が収まるような場所では決してないだろう。(詳しくは第2項で述べるが、志希の父親は志希を以ってしても「ぶっ飛んでる」と称するほどの天才である。また、これも詳しくは後述するが、あくまで現時点での話であり、将来的には岩手で研究部門が盛んになる可能性も十分にあり得る。)
次に、岩手の学生の学力状況に関してであるが、平成29年度 全国学力・学習状況調査*1によると、小学生に関してはテストの正答率が全国平均をやや上回り、中学生に関しては全国平均とほぼ横ばいである。私の記憶によると、数年前には地方TVのローカルニュースで岩手県の学力はワーストに近いと取り上げられていたこともあったので、ここ数年で岩手の教育の状況は改善されていると言って差し支えないだろう。しかし、岩手は辺境の地であるから、取り立てて実績のある進学校や塾がある訳ではなく、勿論英会話教室のような英語に特化した塾も殆どない。そのような環境で、一ノ瀬志希はほぼ独学で英語を習得し、14歳を迎える前に半身で海外へ渡航し、飛び級して大学生となったのである。
飛鳥の発言もごもっともであると私は思う。
ざっと岩手に関して説明するとこの通りである。やはり何故岩手で生まれ育つことになったのか、言い換えれば何故一ノ瀬志希の両親は岩手という地を選んだのかに関してはまだ疑問が残るだろう。
２．一ノ瀬志希と両親の関係について
次に、一ノ瀬志希と今回の件で鍵を握るその両親について、順を追って見ていこう。
まずは父親に関してである。上のコミュの画像の通り、志希と父親は幼少期は仲が良く、関係は良好であったことが伺える。更に上の発言のように、志希が十分成長した頃には既に父親は海外に住んでおり、志希が海外渡航を決断した一番の要因も彼であることが伺える。しかし…
父親との関係は徐々に悪化。志希も帰国することになり、志希自身も当時を寂しかったと振り返っている。
しかし、二人はひどく仲違いをしている訳では決してなく、上の画像にも表れている通り、志希自体は両親に関しては好意を抱いており、多かれ少なかれ両親のことを気にしているようである。
以上のデレステのコミュの台詞から分かることは、志希の父親は、志希の幼少期は研究の傍ら志希と接することもそれなりには多かったということ、志希が14歳になる前には海外に研究拠点を置いていたこと、そして、父親は恐らく家族、とりわけ志希のことに関しては鈍感であり、家族思いとは言い難い存在であるということである。
続いて母親について見ていこう。結論から言えば、父親とは対照的に母親は志希に対して愛情を多大に注いでおり、 娘想いであることが伺える。そのことを端的に示しているセリフが以下である。
希望ね。そんな気持ち、わかんないな。 あたし自身が希望って、ママは…
『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』[つぼみ] 一ノ瀬志希 ホーム画面
この通り、母親は志希を非常に愛していると分かるのであるが、その一方では、志希は帰国後は独り暮らしを行っており、上のコミュでも「ママに聞いてほしかったな。」と意味深長な発言を行っている。以上から志希は母親とも何かトラブルを抱えていることが分かるが、一ノ瀬志希が何故岩手出身なのかという話題からは若干逸れるため今回は深入りするのはやめておきたい。
３．考えられる結論
以上の情報から、私が妥当だと考えられる結論を2つ提示したい。
１.父親は志希の出生時から海外へ単身赴任していた
現時点で最も有力な考えは恐らくこれだろう。志希の父親と母親が折り合いが合わずに別居していた、そして母親の故郷である岩手で母親が志希と二人暮らしをしていたと考えても上の記述と矛盾はないであろう。志希と父親が仲が良かったという話とは少々矛盾するが、父親も帰国して娘と顔を合わせる位の余裕はある筈である。私が考えうる中で一番妥当な結論だと思う。
２．父親はILCで研究を行っていた
こうは言ったが、恐らく皆さんの大半は、ILCとは何ぞや？と思っていることであろう。詳しくは以下のURLを参照して欲しい。
概要を説明すると、ILCとは地下トンネルに設立される世界最先端の加速器を主にした研究施設のことである。このILCに関して、岩手の北上山地に誘致が進められているのである。もし建設が進められれば、世界から多くの研究者が岩手に集まり、素粒子物理に関する研究が盛んに進められると東北ILC推進協議会は説明している。
以上により、もしこれから現実世界で岩手にILCが建設されることになれば、志希の父親が岩手で研究を行っていた可能性も十分に考えられる。あくまでも可能性の話であり、計画が覆ればこの可能性は消滅してしまうが…
４．終わりに
この記事を見て下さっている大半の方は、何故志希が岩手出身なのだろうかとは恐らく考えたこともないだろうし、そもそも志希が岩手出身であることを知っている人自体もそう多くはないだろう。だが、私は岩手在住という性もあり、この謎に長年頭を悩ませ続けられてきたのである。ゲームだからそういうものなのだろう、と勝手に結論付けて深入りしないことも考えたが、これは自分で納得のいく答えを出さなければならない話だと自分を言い聞かせ、一度も書いたことのないブログに手を出し、筆を執った次第である。私は何とか納得のいく答えを出せた、そしてそれを纏めることができたと思っているが、まだ考える余地は十分にあるだろう。後は皆さんの判断に委ねたい。
途中で私自身岩手に関して散々な扱いをした上に、志希も画像のように岩手のことを酷評する始末ではありますが、基本岩手は穏やかでいい場所です。もし機会がありましたら訪れてみてください。待っています。
最後になりますが、筆不精な私の文章を最後まで読んで下さり心から感謝します。ご意見ご感想は、コメント欄またはTwitter(@peach_knees)までお願いします。
